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【報告】JQAN ミーティング2023を開催しました

10月3日(火)、JQANの総会にあたる「JQANミーティング2023」がオンラインで開催されました。会員、トレーナーの皆様方をはじめ、日頃の活動を支えてくださっている約30名の方々にご参加いただきました。

JQANは引き続き、災害などの人道支援における支援の質とアカウンタビリティ向上にむけた緩やかなネットワークとして、研修等の人材育成や提言活動を進めていきます。

参加くださった皆さま、JQANを支えてくださっている皆さまに改めて御礼を申し上げると共に、引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。

 JQAN幹事会・事務局一同

◆各議題の概要◆

【開会挨拶】JQAN代表五十嵐豪(CWS Japanプログラムマネージャー)

2023年は人道支援の質と説明責任に関する基準(CHS)の見直しが行われる年でもあり、とくにコメットメント4の「被災した地域社会や人びとが権利や保障されるべき内容に関する意思決定に参加できる」がコミットメント1になるという草稿にも見られる通り、被災者中心の基準類の普及の重要性が改めて高まっている点など、JQANやQAトレーナーに対するニーズがさらに増えていくことが指摘されました。

【第1部:活動状況について】

JQAN事務局の松尾から、以下5つの活動状況について共有されました。

①ホームページの充実:JQANに関する情報発信をさらに拡充するため、JQANホームページ(https://jqan.info/)に、スフィア基準と関連の深い基準群であるHumanitarian Standards Partnerships(HSP)の紹介ページが追加されたことが共有されました。

②モニタリング:JQANが開催してきた研修を通じてスフィア・CHSの考え方が普及し、行動変容にまでつながっているかなど成果を図るためにJPF加盟団体に対してアンケート調査を実施中であることを共有されました。

③QAトレーナー養成研修:スフィア・CHSの最新情報に則った内容のカリキュラムを提供する予定であり、12月5日~8日の4日間にわたり対面で実施することが共有されました。トレーナー研修であることを踏まえ、対象はスフィア基準に関する基礎知識を既に有している方に限る点が補足されました。

④研修提供状況:2023年10月時点でのJQANやQAトレーナーによる研修の実施状況が共有されました。オンラインだけでなく対面でも実施されています。

⑤国際提言:主にCHS改訂コンサルテーションに関する進捗状況が共有されました。これまで3000以上ものコメントが挙げられ、それらをもとに11月に検証、12月末までに改訂案が纏められるとのことです。2024年の年初には発表され、順次日本語訳版が共有される予定です。

【第2部:普及の担い手(トレーナー)について】

『普及の担い手「トレーナー」のあり方〜トレーナーからの経験共有をもとに考える』と題して、トレーナー養成研修を修了したQAトレーナーが、どのようにしたらより一層アクティブに活動していけるか、またそのような活動をどのようにサポートしていけるかを考えることを目的に、以下3つのセッションに分けてミーティングを行いました。

【セッション1:トレーナーの活動状況、事務局による支援・制度の説明】

JQAN事務局松尾から、QAトレーナーの現在の活動状況、またそれらトレーナーによる活動へのJQANとしての対応と支援制度について説明しました。加えて、12月に5年ぶりに実施となる養成研修を機に、トレーナーの方々が活用できる制度や場について事務局としても再検討する予定であることが説明されました。

【セッション2:トレーナーの経験共有】

これまでのトレーナー養成研修の修了者の中で、アクティブに活躍してくれている須原敦様(アイ・シー・ネット株式会社)、千島佳也子様(DMAT事務局)のお二人から、ご自身のトレーナーとしての経験を発表してもらいました。お二人からは、研修をする上でのやりがいや、これまでに直面した困難またそれにどのように対応してきたか等、お話頂きました。加えて、持続的にQAトレーナーとして活動してスフィアを広めていく上での工夫など、具体的な実践についてもご共有頂きました。

【セッション3:グループワーク・意見交換】

グループワークでは、QAトレーナーとして活動していく上での「障壁」と「解決策」というテーマで話し合い、以下のようなJQANのトレーナー支援方針や制度を再検討する上でも参考になる多くの意見や提案が提出されました。

・トレーナーになるに当たっての要件・研修内容・ステップアップの明確化

・経験の少ないトレーナー、ギャップ期間が出来てしまったトレーナーへのサポート(経験のあるトレーナーとのマッチング、年間スケジュール・枠、オブザーバー参加)

・地方に住むトレーナーのサポート(ネットワーク化、地方開催の可能性)

・QAトレーナの見える化―データ―ベースの作成(トレーナ同士、研修を依頼したい人への情報提供)

・トレーナー同士が交流するプラットフォーム

・”スフィア”以外の研修で「スフィア」の要素を取り入れていく活動のサポート、QAトレーナー以外による普及(自主防災組織・行政向け)

・自主開催で研修を行うに当たってのロジ面の負担

 以上